WPP大阪バスケプロジェクト  栄養ブログ

2020年でブログを終了することとなりました。

第14回(2020)バスケコラム 炭水化物と糖質の話

なんで、お菓子や果物は甘いのでしょう?

 

それは糖分(炭水化物)が含まれているからです。

 

「よく噛んで食べなさい」親や学校で良く言われませんでしたか?

ご飯をよく噛むと段々甘く感じるのは唾液に含まれる消化酵素がデンプンを分解して甘みのあるブドウ糖に変化するからです。つまり、口に入れたときから消化は始まりよく噛んでから飲み込むと胃腸の負担が軽減され消化が良くなります。炭水化物の場合、消化吸収が良いのでもとより胃腸の負担は少なく特に運動時重宝されるエネルギー源です。

炭水化物は炭素と水の化合物です。

食物繊維も炭水化物ですが、エネルギー源にはなりません。

 

糖質は単糖、二糖類、多糖類に分類されます。

ブドウ糖(グルコース)・果糖(フルクトース)・ガラクトースは単糖です。ブドウ糖は脳と赤血球の主なエネルギー源となるため特に重要です。他の糖類(二糖類や多糖類)は消化吸収や肝臓で変換されグルコースになるまでにステップを踏むため、最も効率の良い糖質は単糖です。果糖は果物やはちみつに多くショ糖(スクロース)やイヌリン(食物繊維)の構成成分ですが、酵素による調節を受けないので摂りすぎると中性脂肪や尿酸が増えてしまいます。他にマンノースも単糖類です。

 

ショ糖(スクロース)・麦芽糖(マルトース)・乳糖(ラクトース)は二糖類です。ガムなどお菓子に含まれるイソマルトースやトレハロースも二糖類です。ショ糖は砂糖のことで、大量摂取は果糖を多く摂ることと同じで危険視されています。乳糖はガラクトースとグルコースからできており、牛乳や乳製品を摂ると下痢や腹部の不快感が起こる乳糖不耐性の人もいます。私の周りにも乳製品が好きな乳糖不耐性の人がいてよく下痢を起こすと言っていましたが、下痢は脱水だけでなく電解質やミネラルなど身体に必要なものも排泄され免疫力低下、運動パフォーマンスも低下するので出来るだけ起こしたくないですよね。

麦芽糖は便通を促す作用があります。

 

多糖類にはデンプン、デキストリン、イヌリンなどがあります。

「難消化性デキストリン」という文字を見たことがあると思います。デンプンを酸や酵素でこまかく分解したものをデキストリンと呼びます。脂質や糖質の吸収を緩やかにします。消化しにくい成分ですが、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの吸収を促進することが動物実験で確認されているそうです。

 

糖質の量が減ると「糖新生」といって体内で合成します。アミノ酸、乳酸、グリセロールなどからグルコースを作ります。ただ、筋分解が進むことになるので良くありません。

 

砂糖の摂りすぎは糖尿病やメタボ、高血圧の一因になるなどの研究報告があります。砂糖もそうですが、「果糖ブドウ糖液糖」という清涼飲料水によく使われている甘みの強いものは果物由来の果糖よりもはるかに量が多いので注意が必要です。

 

セロトニンという睡眠や体温の調節や精神安定させるホルモンが満腹感を与えます。これはトリプトファンというアミノ酸から合成されます。コレシストキニンという小腸分泌のホルモンも満腹感に関係します。ダイエットを始めようと、ノンカロリーの商品を口にしても結局ホルモンが分泌されないのでいつまでたっても血糖値はあがらず満腹感も起こらないので食べすぎるということが起こります。咀嚼を増やすことで満腹感を与えられるので時間をかけて食事をすることもよいと思います。

 

運動量の多いアスリート

運動中はたんぱく質の分解が強く、苦労してつけた筋肉も減ってしまいます。少しでも筋分解を防ぐために運動中に糖質補給することが大切で等張性の飲料(アイソトニック)であれば吸収速度も速いです。スポーツドリンクが等張性か低張性かはこちらを参考にしています。1日7-12g/体重㎏の炭水化物を摂取すると体重50㎏のアスリートであれば350-600gを1日3食と補食で、116g/食×3+αとなるのでだいたいコンビニおにぎり1個分くらいがちょうどよい補食になります。パンは脂質の多く内臓への負担も大きいので控えた方が良いと思います。個人差があるので競技に影響のない範囲で試しましょう。よく、補食や疲労回復を紹介している本にカステラやあんぱんなどがありますが、フルマラソンを走ったときは食べにくいと感じたので自分に合うものを探しましょう。わかりやすくまとめてくださっている方がいたのでご参考に。水分補給について他のことも書かれています。

 

f:id:osabskpj:20200728173734p:plain

 

参考文献

灘本知憲・仲佐輝子 新食品・栄養科学シリーズ基礎栄養学(第4版) (株)化学同人

 

山本義徳 アスリートのための最新栄養学(上)~三大栄養素編

 

https://athtrition.com/170608/

 

https://athtrition.com/160708/

 

Comparative effects of fructose and glucose on lipogenic gene expression and intermediary metabolism in HepG2 liver cells.

PLoS One. 2011;6(11):e26583.

doi:10.1371/journal.pone.0026583.

Epub 2011 Nov 11.