第16回(2020)バスケコラム グリコーゲンローディング
はじめに
感染症やひどい暑さが原因でスポーツするのも大変ですよね。今年は暑熱順化対策をしていないので慎重にしています。去年は6月から暑熱順化対策を行い、8月も平気に走っていました。疲労感に関係する、炭水化物にまつわるお話です。
持久系の競技であればグリコーゲンローディングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。カーボアップともいいます。
グリコーゲンローディングはグリコーゲン(ブドウ糖)を体内の筋肉・肝臓・血液にエネルギー源をため込む方法です。持久力が上がるので長く疲れずに走ることができます。
メリット
筋分解抑制
筋肥大
代謝保持
でも!
体脂肪増える
体脂肪が増えることは必ずしも悪ではありません。体重が関係する競技(計量)であれば重要視されますが、体脂肪が多いほど体内の脂肪エネルギーは多いですし、脂肪は体内で重要な役割があります。
対象
90分以上の競技
走行距離が20㎞以上
最近糖質制限をしていた場合
グリコーゲンローディングをやりたい
方法
☆3-4日は低糖質食・3日高糖質食
試合の1週間前に練習強度を上げて体内の糖質を枯渇させてPFCバランスで糖質を50-65%→10%にとどめます。後半の3日はエネルギー摂取の90%を糖質にして運動も軽くして体内にとどめる方法です。これは酵素の活性化を狙っています。
ただ、試合の1週間前は練習量を落としてコンディション調整に入る方も多いです。
前半の低糖質期間は筋痙攣、集中力低下、風邪、胃腸不快感などの体調不良が出るのでお勧めしません。
☆テーパリング
1日90分、2-3日40分、4-5日20分と徐々に練習量を減らしていき、3日間はPFCバランスの50%を後半の3-4日間は70%を糖質からエネルギー摂取します。
☆短時間の高強度運動が速筋と遅筋へグリコーゲンを貯蓄
VO2maxの130%で150秒間走り、30秒全力ダッシュをします。その後除脂肪体重12g/㎏の高糖質食を食べます。
方法はいろいろありますが、慣れていないことをいきなりやると、消化吸収が追い付かず、不快感でパフォーマンス低下することもあるので、必要だと思った人は試してもいいと思います。高校生のとき独学で試しましたが、身体が重くなって失敗したので自分に合う量を調整できるようになりました。合う合わないは絶対あるので、やりたいなと思った人は専門家にアドバイスをもらいながら検討しましょう。
参考資料
山本義徳 著 アスリートのための最新栄養学(上)