体温を下げる方法
はじめに
水分補給(第1回)と感染症(第2回)とやってきました。
夏真っ盛りで連日暑い日が続く中、夜なかなか寝付けないこともあるかと思います。今回は体温調節の話をしたいと思います。
皆さんは全身の体温が常に同じだと思っていませんか?実は手や足先の温度は外気温の影響を受けやすいため中心部より低いことがあります。それでも体温が一定に保たれているのは熱の産生と放散が平衡に行われているからです。
寝付けない理由として就寝時間ギリギリまで電子機器を使うことなどいろいろありますが、管理栄養士として食事で一助ができればと思い体温を下げて寝付きやすくする方法をご紹介します。
ポイントとなるのは夏野菜などに多く含まれるカリウムです。
実はこのカリウム、汗と共に排泄されます。
カリウムは血圧上昇を抑制したり、筋肉の収縮、体内のイオンバランスを保つ機能があります。
ではどのようなものに多く含まれているのか。
昆布、大豆、果物、野菜が主ですが他にも含まれています。
参考までにこちらをどうぞ。
https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/kalium.html
運動したのにもかかわらず疲労で何も口にせず寝てしまうと余計に疲労は回復されません。とはいえ食欲がないとき、エネルギー補充が最優先されるのでどうしてものときはエネルギーゼリーやドリンクだけでも摂取する。夏バテする前に糖質+ビタミンB1+ビタミンCで疲労回復を狙いましょう!
糖質は主食である米、パン、麺や芋
ビタミンB1は豚肉、枝豆、そば、ウナギ、レバー
ビタミンCは柑橘系の果物や芋にも含まれています
上から肉じゃが、豚しゃぶサラダ、カリカリ鶏のねぎソースかけ、ハイナンチキンライス、回鍋肉、サラダスパゲティ、照り焼きチキン、ゴマダレうどんです。
肉じゃがは具材も多く、じゃが芋も入っており汁ごと食べられるので効率よく栄養がとれます。豚しゃぶサラダやゴマダレうどんも暑いときに食べやすいですよね。疲労回復効果のある「アリシン」を含むネギやニンニク、玉ねぎを使った料理もオススメします。また、味付け飯は食べやすさもありエネルギーをきちんと補給することもできます。
これまで運動のきつさや運動時の疲労は乳酸だと考えられてきました。しかし400m走のように乳酸が最も蓄積するとされる状況でも筋内のpHはせいぜい6.5程度で弱酸性というほどにしか下がりません。この弱酸性化は疲労に無関係ではありませんがこれだけで、「疲労」とはいえません。例えば激しい運動で体内が弱酸性になるとそれが元の中性に戻るには10分以上かかります。ところが運動後に数分休めば体内のpHはあまり変化していなくてもまたある程度運動ができます。また、高所に行くほど乳酸ができることには必ずしもならないが、運動は高所の方が確実にきつくなります。さらにトレーニングすると乳酸が高いレベルになるまで運動できそうなものですが、トレーニングしても疲労困憊時の乳酸レベルは必ずしも上がりません。むしろ下がることも多いです。
それでは何が原因かというと例えば細胞内に多くて、細胞外に少ないカリウムが細胞外に多く漏れ出すことなどにより、イオンバランスの乱れが神経伝達を妨げることが考えられています。また高い強度での運動時には筋内に蓄積するリン酸の影響も考えられます。リン酸はカルシウムと一時的に弱く結合する性質があるので、リン酸が蓄積するとカルシウムが筋小胞体から出て神経刺激を伝える働きが妨げられて、筋収縮がうまくいかなくなるという考え方です。このことからもカリウムを補給した方がいいことが分かりますよね。
実はスポーツドリンクにもカリウムは入っています。カリウムやナトリウムとうまく付き合って暑い夏を乗り越えましょう!
参考文献
安部孝・琉子友男 編 これからの健康とスポーツの科学
栄養価計算サイト